特集 PC遠隔操作事件
PC遠隔操作事件の第6回公判が4月15日に開かれ、右陪席裁判官の交代に際し、弁論の更新手続きが行われた。片山祐輔被告のプログラム開発能力に関する尋問は、この日で終了。本公判では、片山氏の元同僚が証人尋問され、弁護団らが公判後、司法記者クラブで記者会見を行った。
- 記事目次
- 「ネット上のサンプルを加工し、C#のプログラムを作成したと思う」
- 防犯カメラの画素数を誤魔化す検察
「ネット上のサンプルを加工し、C#のプログラムを作成したと思う」
元同僚は、業務効率化のためのツールを作成するよう片山氏に指示しており、それを受け、片山氏が「SQLreplace.zip」というC#で作成されたファイルを元同僚へ渡していた。元同僚は証言台で、このファイルについて、「画面機能を一覧化するツール」のように説明したが、片山氏は、そのような「ツール」を作った覚えがないという。
この「SQLreplace.zip」というC#のプログラム作成について、片山氏は「データベースの特定の文字列パターンをみつけて、ある文字列に置き換えるというツールを作った覚えはある。しかし、そんなものを作成した覚えはない。ポカーンと言う感じ」と語り、元同僚の証言と事実が異なることを主張した。
また、片山氏は「自社の先輩から教えてもらった、ちょうどその時やろうとしていたことにぴったり合致するようなサンプルが、ネット上にあることを思い出したので、それを加工したのでは、と思います」と述べている。つまり、片山氏の主張によれば、元同僚が2つの異なる業務を混同して、事実とは異なる証言をした可能性があるということだ。
プログラマーの世界では、ネット上のサンプルを使用して、プログラムを作成することが日常的に行われているという。しかし、サンプルを加工することと、プログラムを一から作り上げることとでは、その難易度に大きな差がある、と佐藤博史弁護士は指摘する。
「全然違う話を混ぜこぜにしちゃったのではないかと思う。元同僚は調書と全く違うことを話したのに、裁判官はそれを放置していた。許しがたい」。佐藤弁護士は、公判での裁判官の姿勢に憤りをあらわにした。(IWJ・須原拓磨)
防犯カメラの画素数を誤魔化す検察
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